ようこそ、実力至上主義の世界へ

サラリーマンキャリアから突如としてマッサージの世界へ足を踏み入れるとは思いもしなかった。仕事に行けば給料がもらえる、これほどありがたいことはない。しかし、それがどれほどありがたいことなのか、その世界を外から見て初めて染み染みと感じている。

マッサージの世界は言わずもがな実力至上主義。腕がなければお客様はやってこない。だからこそ、お客様が来ないなら、どうにかしてやってくるようにしないといけない。結果が全てで、毎日が熾烈な戦いだ。

「仕事がくだらない」「上司がクソで腹が立つ」その他云々の御託は要らない。実力至上主義の世界では、そんなことはどうでもいい

とにかく、お客様を満足させることが全てだ。

マッサージの世界に足を踏み入れてから1年近くが経った。実力至上主義の世界がもたらす過酷さに、毎日がヘトヘトの状態。毎回の結果が容赦なく目の前に提示され、ここでは曖昧な領域など存在しない。明確で分かりやすく、残酷な現実が容赦ない。

いつまで続けたら、お客様が来てもらえるようになるのか?、そんな保証は全くない。また、昨日までリピートしてくれていたお客様が明日も来てくれる保証も一切ない

この実力至上主義の世界で生きていくことが、どれほど厳しいか痛感している

毎日お店に立つのは恐怖そのもの。しかし、立たないとチャンスは絶対に巡ってこない。前日は恐怖や不安から、よく眠れない。きっと、前日から“戦い“モードに入っているんだろう。

"“戦い“だなんて大げさな表現かもしれないが、それでもやはり、お店は戦場だ。給料制の仕事では考えもしなかったこと、それが「仕事で戦う」ということ。給料が確定した安心感があった日々とは裏腹に、毎日が一つの戦いの場であり、その中で技術やサービスを身につけお客様の信頼を勝ち取る。

これが給料制の枠を超えた実力至上主義の異世界

映画『カイジ』で聞いた、あの利根川のセリフが頭の中で鳴り響く。『お前らが今なすべき事は、ただ勝つこと・・・! 勝つことだ!勝ったらいいなじゃない・・・勝たなきゃ駄目なんだ!勝ちもせず生きようとする事がそもそも論外なのだ。今宵はクズを集めた最終戦・・・ここでまた負ける様な奴、そんな奴の運命など俺はもう知らん。 本ッ当に知らん。 そんな奴はもうどうでもいい。勝つことが全てだ! 勝たなきゃゴミだ!!』

あの時は大げさだなぁなんて呑気に思っていたが、いざその世界の住人になると、これは極論だが全てなんだろう。

打席に立って、必ず勝ち続ける決意。この世界にいる限り、避けられない戦いが待ち受けている。

さぁ、どうやって生き残る? 生き残るための執念や覚悟が求められる中で、サバイバルな生活に慣れる日が果たして来るのだろうか。