マッサージ新人君の悩み

昨日で、某ホテルのベットメイクの仕事を辞めました。僅か3ヶ月の短い期間でしたが、電車賃と生活費を稼ぐべく取り組んでいました。辞める決断を下した理由は、なんとかお店での立場が向上し、新たな挑戦ができるようになったからです。

 

しかし、期待とは裏腹に、私はお客様の期待に応えることができず、担当するごとに自信を喪失し、負のスパイラルに陥っています。この仕事の魅力は、直接お客様から感謝の言葉をいただけることです。同時に、不満を受けることもまたつきもので、初めての経験に戸惑っています。最初はこんなことを想像していなかったのです。

 

お客様から「楽になった」「気持ちよかった」といった言葉をいただく瞬間は、天にも昇るような気分です。逆に、お客様の期待に応えられなかった時、まさに地獄のゴングが鳴り響きます。お会計やお見送りで言葉にできない気まずさが、心にボディブローとして刺さり、ただ耐えることが求められます。これによって、自分の未熟さを改めて思い知らされるのです。

 

この仕事には、鋼鉄のようなメンタルが求められることを痛感しています。特に新人としての通過儀礼は過酷で、私のメンタルはそれほど強くないことが明らか。ただでさえ脆い状態でありながら、早急に自分の未熟さを克服する必要がありますが、それが容易ではありません。

 

マッサージという行為は、”指で圧す“だけと非常にシンプルに見えます。熟練者の姿を見ても、複雑な動きはしていないように見えます。しかし、実際にやってみるとその奥深さは計り知れません。新人と熟練者がお客様に触れただけで、その差が歴然としてしまいます。一体何が違うのか、その答えを探して悩んでいましたが、ハッと気がつきました。

 

その違いを知ることは、不可能なのです。それは、自分が行うほぐしを自分で受けることができないためです。自分がどんなほぐしをしているのか分からない限り、熟練者との比較は難しいのです。その差を見つけて埋めようとするのは、無意味なのかもしれません。

 

私はマッサージが、日本の「華道」や「茶道」と通ずるものと感じています。シンプルさからこそ、どれだけのこだわりを追求できるかが重要だと考えています。熟練者との差を気にするよりも、一圧しにどれだけのこだわりを込めるか、その姿勢に意識を向けていきたいと思います。